アツカバ家は土地探しの中で、旗竿地(はたざおち)を検討しプランまで作ってもらったことがあります。
しかし当時の担当者は旗竿地に対して否定的な意見ばかり。
理由を聞いてみると、なんと担当者の実家が旗竿地で色々と苦労したとのこと。
担当者が教えてくれた旗竿他のデメリットと実際に起きたトラブルを紹介します。
- 旗竿地(はたざおち)がやめとけと言われている理由
- 旗竿地で実際に起きたトラブル内容と回避法
- 良い土地を見つけるため極秘の探し方
旗竿地はやめとけと言われる5つの理由

「旗竿地はやめとけ」と言われる5つの理由はこちら。
旗竿地あるあるではありますが、最初に紹介する3つがとにかく致命的……。
詳しく解説します。
自家用車が停めづらく人の行き来がしにくい
アツカバ家が旗竿地をやめた理由No.1のデメリットです。

旗竿地はこのような土地で、広い敷地に入るために細い通路部分を進まなくてはなりません。
この細い通路部分は横幅が非常に重要で、特に自家用車を持つ方にとっては車を敷地内に停められるかといった問題になります。

ショッピングモールなどの駐車場は横幅2.5mとされており、少なくとも旗竿他の竿部分の横幅が2.5mあれば車を停めることはできるでしょう。
しかしその土地に停めるのは車1台だけですか?
もしあなたの配偶者や子どもが車を持っていたり、今後車を購入する可能性があるなら縦一列に駐車しなくてはならず、やはり自分の土地なのに不便に感じてしまうはず。

また2.5mの幅では車の横を通る際も苦労します。
後述する『実際に起きたトラブル』では、この部分が大きな問題となりました。
自家用車を持つ方で旗竿地を検討しているなら、竿部分の横幅は最低でも3m以上、可能であれば4m以上あることを確認してくださいね。
プラン作りが難しい(建ぺい率の問題)
旗竿地にもさまざまなタイプがあります。
ただ総じて言えるのは、竿部分には家を建てることはできません。
必ず旗となる部分に建てることになります。

例えば60坪の旗竿地でも竿部分だけで15坪あったら、実際に建築できる部分はたったの45坪。
土地坪数に対して思ったより狭い坪数でしか建築できないなら、せっかく大きい土地を買ってももったいないですよね。
狭い坪数で、さらに建ぺい率なども意識したプランとなると、希望の建物が建てられない可能性も十分にあります。
土地坪数が大きくても、プランに制限があることだけは念頭に置いておきましょう。
日照を確保できない
アツカバ家が購入しようとした旗竿地は、周囲がすべて2階以上の建物に囲まれ、まさに日照の問題を抱えていました。

周囲に建物があると、1階部分の日照を確保できず、特に日差しが入らない北側の庭部分などはジメジメとしてしまうそうです。

周囲との採光を考えても、北側の土地だけはどうにもできません……。ドクダミが生えることは覚悟してください。



マジすか……。コンクリートとかで埋めても厳しいですか?



厳しいですね……。
もちろん数年間は大丈夫だと思いますが、10年、15年もすれば必ず苔が生えてくるでしょうし、湿気などでコンクリートが早く劣化してしまいます。
せっかくのマイホームなのに庭にドクダミや苔が生えるなんて悲しいですし、お金をかけて作った外構も早く劣化してしまうとのこと……。
周囲を建物に囲まれている旗竿地の購入を考えているなら、採光はどの程度取れるか、また北側の建物との距離が5m以上確保できていることを確認するようにしてください。
外構や付帯工事の費用が高くなる
旗竿地は竿部分ももちろん自分たちの土地になります。
そのため竿部分に対しても外構工事をする場合がほとんどです。例えば自家用車を停めるのであれば、竿部分に対して一面コンクリートで埋める家庭が多いでしょう。
一部分砂利などでコストを安く抑えたとしても、竿部分が長いとどうしても無駄な外構費用がかかってしまいます。
それ以外に旗部分の建物を建てるために重機などをいれなければならず、竿部分の横幅がないと重機が入れないため、追加の工事費用がかかってくることも……。
水道やガスを引っ張ってくるのも追加で費用が発生するため、結局建物以外の費用が整形地よりもかかってしまい、安い旗竿地だったとしても総額としてはほとんど変わらないといったことが十分に起こりうるのです。
風水的に良くない
旗竿地は風水的にも良くないとされています。
その理由は、旗竿地の形が包丁のように見え不吉とされていることや、変形地(整形地のような四角の土地ではない土地)のため、良い気が入ってきにくく、凶相となってしまうためです。
20〜30代はあまり風水といったものを気にしなくなりましたが、夫婦の親世代(50〜60代)は割と風水や運気といったものを大切にします。
土地や家の購入は夫婦の一存だけでなく、親も含めて検討することが多いため、なかなかすんなりと受け入れてもらえないことも。
将来的に二世帯住宅を考えているなら尚更です。
親や親族など含め、今後のことも見据えた上で旗竿地を購入するか決めるようにしましょう。
【旗竿地はやめとけ!】実際に起きたトラブル3選


旗竿地を買って実際に起きたトラブルを紹介します。
ケース① 近隣トラブル
これはアツカバ家を担当してくれた営業マンから直接聞いた話です。
営業マンの実家は竿部分の横幅が3mほどで普段車を停める時は特に何の問題もなかったそう。
隣に住む50代夫婦も車を持っており、お互いが通りやすいよう前後で車を停めること、荷物の運搬などの際はお互いの敷地内を通ってもいいという取り決めを決めていて、それを守っていました。


しかしある日、営業マンが自家用車で出勤しようとしたところ、まったく記憶にない傷が車の側面にできていたそうです!
何かで擦ったような横に走る傷で、数ヶ月前に車を買い替えたばかりの営業マンはとても落胆したそう。
車を運転しながら「あれは何の傷だろうか。昨日車を停めるまでは何もなかったよな……」と考え、そして一つの可能性にたどり着きます。
週末、意を決して隣に住む夫婦に訪ねました。



その、勘違いなら申し訳ないんですけど……僕の車に何か擦っちゃいました?



……すみませんでした!
なんと隣に住む奥さんが自転車を奥側にある土地に停めようとした際にぶつけて擦ってしまったことが判明したのです。


しっかり傷も残ってしまって、しかも車を買い替えたばかりなことも知っていたため言い出せなかったとのこと。
謝罪と修理費を出してもらえることになりましたが、営業マンが言わなかったらずっと隠されたままだったかもしれません。
さらには隣に住む夫婦がまだ普通の人だったから良かったものの、非常識な方が隣人だったり、隣人との関係性が悪かったりすると、こういったトラブルが泥沼化することも十分に考えられます。
このトラブルで気をつけてほしいのが、子どもを持つ子育て世代です。
子どもは自転車を使う頻度も多く、自転車で車の脇を通過する機会も多いでしょう。子育て世代はこのトラブルにいつ見舞われてもおかしくないのです。
ケース② 総額変わらない問題
旗竿地は一般的な整形地より安く購入できる場合が多いです。
それはもちろん土地の設計のしづらさなどが理由なのですが、近隣の整形地より数百万程度安くなっているため、それに飛びついて購入してしまうと、建築費用の総額として整形地とほぼ変わらないということが起きる可能性があります。
この理由は『外構や付帯工事の費用が高くなる』でも解説した、建物費用以外の部分で費用が高くついてしまうため。
アツカバ家が検討した旗竿地も近隣の整形地より400万ほど安い土地でした。
可能な限り総額の費用を抑えたかったので、安い土地はとても魅力的だったのですが、外構費用や建てられる建物の坪数などを考慮した結果、総額として100万ほどしか変わらないのに、建物の坪数は小さく、しかもこだわりのポイントがつめられないことに気づきました。
「仕事や学校などから帰ってきた時にテンションが上がる家にしたい!」をモットーに家づくりを進めていたアツカバ家は建物の外見からこだわりたかったのです。
ただ旗竿地という奥まった土地にすると、帰ってきた時にパッと建物が見えず、竿部分に入ってからようやくチラッと見えるかな……という程度。


旗竿地にすることで総額だけでなく、自分たちのこだわりも妥協しないといけないのは我が家にとっても喜ばしいことではなかったため、旗竿地を断念しました。
ケース③ 土地が売れない問題
今後何かしらのイベントによって、土地を売るといった事態が起きるかもしれません。
ただ残念なことに旗竿地のような少し癖のある土地は買い手側にとっても値段がつけづらく、安く買い叩かれてしまう可能性があります。
それどころかずっと売れないということも。
アツカバ家が検討していた土地一帯は3,500万がベースで、それを下回るとわずか1ヶ月もしないうちに土地が買われてしまうという激戦地区でした。
それにも関わらず、近隣にあった3,000万の旗竿地は半年を過ぎても売れていません。今では2,700万にまで値下げしています。
つまり他地域よりも圧倒的に価格を下げなければ売れない土地が旗竿地ということです。
この他にも住宅ローンをフルローンで組んで、土地が担保とされた場合でも旗竿地ということで土地の価値が下がり、場合によっては土地が購入金額に見合っていないということで住宅ローンの審査に落ちることも十分に考えられます。
アツカバ家が土地の問題で住宅ローン本審査に落ちた話はこちら
>>【体験談】住宅ローンの本審査に落ちた!落ちた理由と次にやること


旗竿地というのは整形地に比べて、これだけのデメリットがあることを十分に理解しておきましょう。
旗竿地は最終手段にしておこう


旗竿地にもメリットはある一方で、アツカバ家では旗竿地はやめようという結論になりました。
最後にもう一度、「旗竿地はやめとけ」と言われる理由はこちら。
未だに土地が確定しない中ではありますが、この決断に後悔はありません。
土地は生物ではありますが、一生物でもあります。後悔しない家づくりのためにも、土地に妥協しないことが大切です。
もし土地探しが上手くいっていないというのであれば、プロの力を借りるのもおすすめ。
実は不動産関係者だけが見られる専門の土地情報サイトがあります。
このサイトでは私たちが検索しても出てこない土地情報がたくさんあり、まだ売値がついてないお宝級の土地が眠っているのです。
ただこの情報を得るためには不動産関係者とつながりを持つ必要があるため、ここで抑えておきたいのがハウスメーカー営業マンとつながりを作っておくこと。
営業マンからしたら自社で家を建ててもらいたいわけなので、必死に不動産や土地情報サイトから条件にあった土地情報を探し出してきてくれます。
しかも良い土地があれば、そのまま契約に関する諸々の事務作業まで一気にやってくれるので、とてもスムーズです。
「希望に合う土地が見つからない」「どこの土地を探したら良いのか検討がついてない」という方は、『タウンライフ』でハウスメーカーの担当者とつながりを作ってくださいね。